2013年10月06日

「第36回近畿地区プロ自転車競技大会」が開かれました(後篇)

9/29(日)に、和歌山競輪場では13年ぶりの開催となる「第36回近畿地区プロ自転車競技大会」が開催されました。表彰式の写真を中心に大会の様子をお伝えする2回シリーズ、今回は後篇です。

お昼休み明けのスプリント1/2決勝が終わると、その後は決勝種目が最後まで続きました。

まずは4q団体追抜です。この種目は、4人編成のチームが、ホーム側スタートとバック側スタートに分かれて競うもので、追い抜くか先にゴールした方が勝ちとなります。近プロではタイムレースとなっており、追い抜きがあってもレースは終了せず、4q完走時のタイムで順位付けされます。センター(1〜2コーナー、3〜4コーナーのそれぞれ中間部分で傾斜が一番キツイ所)で先頭交代のため、先頭選手が外にふくらんで最後尾に付き直す様子は、まるでサーカスを見ているようです。
この種目は、例年、京都チームと福井チームが激しい優勝争いを繰り広げています。しかし去年は兵庫チームが優勝、一昨年は奈良チームが2位となり、上位チームの一角を崩しています。
結果は、1組目発走で、前半からハイラップを刻み続けた福井チームが2年ぶりの優勝を果たしました。しかも自身の持つ記録を2秒684更新する大会新記録で、昨年の前橋全プロ競技会で優勝した時のタイムに0秒8差迫る好記録でした。


4q団体追抜 表彰シーン

4q団体追抜 表彰シーン

1位:福井チーム(脇本雄太・渡辺十夢・伊原克彦・渡辺航平、写真中)4分25秒713 ※大会新記録
2位:大阪チーム(岡嶋登・神田紘輔・菊谷信一・藤野一良、同左)4分31秒275
3位:兵庫チーム(井上将志・角令央奈・村田雅一・篠塚光一、同右)4分31秒757



そして、スプリントの3位決定戦と決勝1本目に続いて行われたのが、チームスプリントです。アテネ五輪で日本が銀メダルを獲得したことで、おなじみとなったこの種目。3人編成のチームがホーム側とバック側にそれぞれ分かれ、1周を終えるごとに先頭が待避、3人目の選手が先にゴールした方が勝ちとなるルールです。近プロではタイムレースとして行われています。
これまで福井チームが3連覇中ですが、各県のスピード自慢選手で編成されるとあって、見ている側は目が離せない一戦となりました。
そして優勝したのが、なんと地元和歌山チーム! スピード・コンビネーションとも抜群で、400mバンクでの大会記録に0秒254及びませんでしたが、まずまずの好タイムでした。4連覇を狙った福井チームは0秒420差の2位。どの選手の自転車かは分かりませんでしたが、ハンドルに不具合があって再発走したのが響いたのかもしれません。


チームスプリント 表彰シーン

チームスプリント 表彰シーン

1位:和歌山チーム(中野彰人・高田大輔・稲毛健太、写真中)1分16秒490
2位:福井チーム(市田佳寿浩・伊原克彦・脇本雄太、同左)1分16秒910
3位:滋賀チーム(高久保雄介・窪田陽介・藤井昭吾、同右)1分17秒710



チームスプリントに引き続いて行われたのがスプリント決勝の2本目でした。スプリント上位順位戦の結果をまとめてご紹介しましょう
まず3位決定戦は、西谷岳文(京都)と松岡健介(兵庫)の対戦。最終BKの進入まで両者けん制状態が続きましたが、果敢に先行した西谷が追いすがる松岡を振り切って勝ちました。
決勝は2本先取のルールで、筒井裕哉(兵庫)と稲垣裕之(京都)の予選タイム上位2人が対戦しました。1本目は、最終2角まで筒井が蛇行しながらけん制するところ、一瞬のスキを衝いた稲垣がインをすくって先行し、逃げ切りを決めました。2本目は、筒井が果敢に最終1センターから先行しましたが、最終3角で追い付いた稲垣が勢いそのままに捲り返して先着。結局2対0で稲垣が勝ち、この種目2連覇を果たしました。

(3位決定戦)
西谷岳文(京都)○−× 松岡健介(兵庫) 参考上がり:12秒251

(決勝)
○1本目 筒井裕哉(兵庫)×−○ 稲垣裕之(京都) 参考上がり:11秒124
○2本目 稲垣裕之 ○−× 筒井裕哉 参考上がり:10秒945

※いずれも左がインスタート


スプリント 表彰シーン

スプリント 表彰シーン

1位:稲垣裕之(京都、写真中)
2位:筒井裕哉(兵庫、同左)
3位:西谷岳文(京都、同右)



続いて行われたのが、中距離系のエリミネーションレース。概ね10人以上で行われ、各周回ごと(250mバンクの国際試合では2周ごと)のHSライン(ゴールライン)を通過した際に、最後尾の選手が脱落していき、最後に残った2名が2周のスプリントで勝者を決めるという種目です。位置取りと駆け引き、そして持久力が試されるゲーム形式のレースです。出走したのは19選手。その中でもこの種目の優勝経験があり、今年の全プロでも2位に入った地元和歌山の椎木尾拓哉に注目していました。ただ、過去のこの種目や、近プロで以前行われていたポイントレースで優勝や上位経験のある、窓場加乃敏(京都)、鷲田幸司(福井)、三谷政史(滋賀)・将太(奈良)兄弟、村田雅一(兵庫)などのレースぶりにも興味がありました。
レースは、毎周回、後方に位置している選手の2センターからの巻き返しでヒートアップ。セーフになると安心しきっていたイン側の選手が、HS線直前で詰まってしまい僅差の最後尾になることもしばしばで、まさに予断を許さないレース展開でした。対抗格に挙げた三谷兄弟は、弟・将太が12周目、兄・政史が続く13周目で脱落。そして椎木尾も残り4人の15周目で、やはりイン詰まりに遭い脱落。村田が16周目で脱落の3位。鷲田と窓場によるファイナルスプリントは、先に仕掛けた窓場が鷲田を千切って制し、この種目2年ぶりの優勝を果たしました。


エリミネーションレース 表彰シーン

エリミネーションレース 表彰シーン

1位:窓場加乃敏(京都、写真中)
2位:鷲田幸司(福井、同左)
3位:村田雅一(兵庫、同右)



そして競技会の掉尾を飾ったのが、ケイリン決勝です。近畿を代表するスター選手・トップ選手による競演とあって、場外発売中の青森記念があるのにも関わらず、生観戦しようとスタンドに来られたファンが大勢いらっしゃいました。

@東口善朋(和歌山)
A村上博幸(京都)
B三谷将太(奈良)
C三谷竜生(奈良)
D藤木 裕(京都)
E南 修二(大阪)

<VTR>A村上がSを決めてぺーサー(誘導員)の後ろに付ける。そこへE南が上昇し、村上が譲る形で南がぺーサー後位に収まる。その後の周回中の並びはE−A−D−@−C−Bの順。赤板HSを通過しペースが上がると、三谷竜が車間を切って駆け出すタイミングを図る。ジャンでぺーサーが強制待避したのを見て、三谷兄弟が先行勝負に出る。


ケイリン決勝 打鐘過ぎ2センターの攻防

ケイリン決勝 打鐘過ぎ2センターの攻防


三谷竜の主導権かと思いきや、南も最終HSで再度巻き返し、最終BKまで三谷竜と南の激しい叩き合いとなる。主導権争いは三谷竜に軍配が上がるも、前団のもつれを見ていた村上が、最終BKから一気の捲り返しに出て、最終2センターで三谷竜を捉える。


ケイリン決勝 最終2センターの攻防

ケイリン決勝 最終2センターの攻防


結局、村上が猛追する藤木を振りきって、2008・2009年の連覇以来となる近プロケイリン優勝を果たす。藤木は2年連続の決勝2着。3着には、京都コンビの捲り上げに乗った地元和歌山の東口が入りました。


ケイリン 表彰シーン


ケイリン 表彰シーン

1位:村上博幸(京都、写真中) 決まり手:捲り 参考上がり:11秒000
2位:藤木 裕(京都、同左)
3位:東口善朋(和歌山、同右)



そして表彰式の最後に団体戦の発表があり、個人種目・団体種目ともに上位を賑わした京都チームが連続優勝を勝ち取りました。


団体優勝の京都チーム

団体優勝の京都チーム


ちなみに2位は和歌山チームで、池田支部長いわく「団体戦でのこんな好成績は、僕の記憶にないくらい」と大喜びでした。

13年ぶりの近プロ和歌山開催でしたが、普段、車券のかかった9人制の競輪しか見ていないファンにとって、自転車競技は新鮮に映ったことでしょう。もっとも、これらの種目による基礎があってこその競輪ですし、2年後の2015年には、このオレンジバンクで「紀の国わかやま国体」の自転車競技トラック種目が行われます。ですから、観戦されたファンの皆さんも自転車競技にもっと関心を持って頂ければと思います。
そして地元ファンの声援に後押しされて奮闘した地元和歌山チームには、大きな拍手を贈りたいと思います。今まで苦手とされていた団体種目での優勝は、現在の練習内容の成果ですし、今後の自信にもつながります。来年の全プロが、今から楽しみになってきました。
来年以降の近プロは、持ち回り開催になるとの考えがあるようですが、間近で近畿のスター選手・トップ選手の走りが見られるのなら、国体も控えている和歌山で、来年も開いて欲しいものです。そう思っている地元競輪ファンは、私だけではないでしょうし、私も“出入り業者”としての大変さは覚悟の上でお願いしたいです。「それって、選手に簡単に近づけられる『役得』っちゅうもんやないの?」と、お叱りを受けるのは覚悟の上です(苦笑)。


(この項おわり)
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