2012年03月30日

【山本ディレクターの自腹出張日記】 観音寺ふたたび(そのB)

わたくし山本が直近に遠征した全国の競輪場を紹介する「山本ディレクターの自腹出張日記」。今回は去る3月25日(日)に「さよならお客様感謝デー」が行われた香川県の観音寺競輪場への「ふたたび自腹出張」リポートの3回目です。

受付を済ませて待つこと15分。走路審判員用のママチャリの順番が回ってきました。サドルの高さ調整もそこそこに、敢闘門からバンク内へ入って行きます。まずはバンク内の各所を写真撮影しながら、のんびりと走らせてもらいました。

敢闘門

「銭形くん」が両脇を固める敢闘門

過去幾多の選手がこの敢闘門からW戦場”のバンクへと赴いて行き、数分後、ある者は1着で意気揚々と、ある者は敗れて肩を落とし、またある者は落車して無残な姿で担送車に乗せられてこの敢闘門に戻ってきました。この敢闘門は、そんな数限りない戦士(おとこ)達のドラマを見つめ続けたわけです。

3コーナー脇にそびえる決定表示板

3コーナー脇に立つ決定表示板

この表示板に映し出された着順に一喜一憂された方が多かったことでしょう。金網にくくり付けられた「銭形くん」の横断幕もなかなかかわいらしいですね。

第4コーナーから直線へ
第4コーナーから直線へ

第4コーナーの立ち上がりから直線へ

観音寺バンクは、みなし直線が54.4m。少し長めの直線ですが、どのコースが空いているのか、どこを走れば伸びるのか、選手たちが繰り広げた一瞬一瞬のドラマが、このホームストレッチに凝縮されています。

第1コーナーから1センターへ
第1コーナーから1センターへ

第1コーナーから1センター(1〜2コーナーの中間)へ

カントは30度47分と心持ち浅め。先行選手はさらにスピードを乗せていき、捲り選手は仕掛けるタイミングを図る。さらに追い込み選手は捲り選手を巧みなテクニックでブロックするという、勝負権確保に向けての攻防が繰り広げられた、1コーナーから2コーナーのカーブ部分です。

第2コーナーからバックストレッチ

第2コーナーからバックストレッチへ

そして先行選手が向かい風として吹き付ける海風をまともに受けながら、勝負どころの3コーナーへ進入するバックストレッチです。この日は「まだ緩い方」(競技会職員さんの話)でしたが、結構風圧を感じましたよ。

さてママチャリでのバンク走行をひとしきり楽しみ休んでいたところ、競技会か競輪場の職員OBと思しき初老の男性が、知り合いの若者グループに一言声をかけます。「これ乗ってみい」
なんとその男性はどこから出してきたのか、ピストレーサーに乗るよう若者たちに勧めていたのです。若い男性3人グループは、恐る恐るそのピストに跨りましたが、「ペダルが重い」「サドルが高い」「ブレーキが無いから、よう止まらん」とか言って、数周でピスト乗車を止めてしまいました。
そこへ私が「乗っていいですか?」とお願い。若者が「いいですよ」と返事をする前に、半ば“強奪”(!)した格好で、ピスト乗車の権利をgetしました。

山本D ピストに乗って観音寺バンクを周回
山本D ピストに乗って観音寺バンクを周回

ピストに乗ってバンク周回(撮影:和田年弘氏)

確かにサドルは、私には少し高すぎましたが、調整してもらうのも悪い気がしてそのまま乗り続けました。ギヤもかなり重く、スピードチャレンジゲームの4.17ほどではないにしても、3.86とか3.92ぐらいの感じがしました。
そして調子に乗ってカントの一番上まで昇って行き、挙句の果てには、クリップバンドを締めてハロン駆けまでやってしまう始末(我ながら、ええかげんにせい!)。

山本D ハロン駆けに挑戦!
山本D ハロン駆けに挑戦!
山本D ハロン駆けに挑戦!

ハロン駆けに挑戦! そ〜れっ!!(撮影:和田年弘氏)

レーサーシューズを履いておらず、しかもサイクルジャージではなく全くの普段着だった分、それほど勢いやスピードを付けたダッシュではありません。しかし山おろしをかけた瞬間、今まで感じたことのないような風圧を全身に感じました。

か、風が、強過ぎる!!

うっ! かっ、風が強過ぎる〜!!(撮影:和田年弘氏)

風圧と、素人では太刀打ちできないギヤ倍数に負けて、和歌山の「バイチャクラブ」で走るよりも無残なタイムだったでしょう。ゴールしてから、クールダウン代りに2周ほど退避路を周回しましたが、余りにも無謀なチャレンジに自己嫌悪に陥るほど…。

無謀な挑戦にガックリ…

無謀な挑戦にガックリ…(撮影:和田年弘氏)

息も絶え絶えになりながらピストレーサーでの走行を終えると、和田年弘氏が「いやいや山本さん、お疲れ様でした」と、優しく声をかけて下さいました。そして続けてポツリと一言「バンク内の施設というか、部品も一部撤去されてますね」。

エンドレスカメラは撤去されています

エンドレスカメラは既に撤去済み

センターポール上にあった、審議VTR撮影用のエンドレスカメラは撤去されていました。

ミラーと回転板が撤去されたゴール板

ゴール板のミラーもありません

ボックスに格納されているはずのゴール板(ミラー)と、下部の回転盤(開催日やレース番号を決勝写真に合わせて写し込む装置)も取り外されていました。「もうここで競輪の開催が行われなくなったんだな」と、改めて感じさせられました。
そしてバンク風景の写真で、私が決して逃すことができなかったのがこの1枚です。

数々のドラマを生んだゴールライン

数々のドラマを生んだゴールライン

この一本の線が、選手・ファンそれぞれにとって、さまざまなドラマを生み出しました。選手も車券を買ったファンも、ゴールラインに到達するか否かのわずか数ミリの差で、天国と地獄に「線引き」されていったのです。ゴールラインを選手が通過するその一瞬に、車券に賭けられた金、その人の人生、応援する選手への熱き思い、選手としてのプライドや地位…、そんな全てを賭けた人達がこの観音寺バンクに62年間集った、という事実は決して消え去るものではありません。
そして、この一本の線が62年間見つめ続けた喜怒哀楽に思いを馳せながらイベント会場に戻りました。

(そのCに続く)
posted by wbs at 12:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 自腹出張日記
この記事へのコメント
すばらしいレポートですね。小生でも、むずむずしてピストに乗り、ハロン駆けしてますよ!名残惜しそうないい感じですね。
朗報!!!布居選手がS級初優勝!!!おめでとうございます!それも、高知で藤木率いる京都3名ラインと別線で伊原の2番手から直線で、アメフトのような中央突破で見事差しきり!日ごろ、バイチャでお世話になっているだけにすごく嬉しいです。次回のバイチャでお会いしたら参加者で胴上げをしたいですね!今年度も、バイチャ頑張りましょう!
Posted by 岸和田オヤジ at 2012年03月30日 19:56
岸和田オヤジさんへ

コメントありがとうございます。3/25当日は「バイチャクラブ」だったんですが、観音寺行きのため欠席しました。でもピストでのバンク周回ができて「来て良かった」と心の底から実感しました。これで、車券が当たってくれてたらもっと良かったんですけれど…(苦笑)。
布居選手のレースはダイジェストで見ました。前団が詰まって混戦になるなか、見事な突進を決めてくれました。もっと優勝していてもおかしくないんですが、今回が初優勝とは驚きです。これまで優勝できていなかった分、今後のレースでしっかり取り返してほしいですね。
Posted by 山本D at 2012年03月31日 14:51
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