2017年06月06日

「第62回全日本プロ選手権自転車競技大会」が開かれました(そのD)

和歌山競輪場で、5/29(月)に「第62回全日本プロ選手権自転車競技大会(全プロ競技会)」が行われました。寛仁親王牌のシード権をかけて、スター選手・トップ選手が、普段の競輪とは違った雰囲気の中、熱いレースを繰り広げました。その「全プロ競技会」の様子を紹介する6回シリーズ(予定)。今回が5回目です。

4qチームパーシュートなど3種目の表彰式が終わり、バンクは再び戦いの場へと変わっていきます。再開後最初の種目はスプリント1/2決勝(準決勝)です。ここからは3本勝負の2本先取での勝ち上がりとなります。1本目と2本目の間にはチームスプリントを挟んで50分のインターバルがありましたが、ここでは便宜上連続して紹介します。

1組は予選1位の渡邉一成と4位の根田空史が対戦します。1本目は根田がインスタート。根田が先行しますが、最終1角から渡邉が追い出しを掛けます。そして2角から根田がスパートに入りますが、BKで渡邉があっさりと捉えてみるみる差を広げます。3角で根田は追走をあきらめ、渡邉も勝ちを確信したのか4角では流す余裕も見せながら先着しました。

スプリント1/2決勝1組1本目 最終2センターの攻防

スプリント1/2決勝1組1本目 最終2センターの攻防
BKで根田(紺)を捉えた渡邉(白)が大きくリードを広げる



実はこのレースの時、バックヤードで別の取材をしていたため、レースを生で見ることができませんでした。そのためモニターの写真となっています。ご了承下さい。

50分後の2本目は、インスタートが渡邉。先行義務のある渡邉が1周目の3角でバンク上部でスタンディングし、たまらず根田が前に出て行きます。そして最終1センターから根田がスパート。3角で根田を捉えると、渡邉がそのまま大差を付けて先着。決勝への勝ち上がりを決めました。

スプリント1/2決勝1組2本目 最終4角の攻防

スプリント1/2決勝1組2本目 最終4角の攻防
1センターからスパートした根田(紺)を3角で捉えた渡邉(白)が、リードを確認しながらゴールへ向かう



続く2組は、予選2位の河端朋之(岡山)と予選3位の金子貴志(愛知)の対戦です。新旧スプリント日本代表同士の対戦で、予選のタイム差が0.105秒差。ワンチャンスでひっくり返せる差です。

1本目は河端が先行義務のあるインスタート。金子が最終1センターから仕掛けて行くと、河端も2角から併せるように踏み上げます。金子が3角で河端を捉えますが、河端も踏み直しで抵抗。ゴール勝負になりましたが、金子が直線で再度加速し先着しました。

スプリント1/2決勝2組1本目 最終BKの攻防

スプリント1/2決勝2組1本目 最終BKの攻防
1センターから追い出しをかけた金子(外・白)が、併せようとした河端(内・白&緑)を交わそうとする



50分後の2本目は、内外入れ替わって、金子がインスタート。最終HSから徐々にペースアップした金子が1センターから大きく内外に蛇行しながらスパート。河端が必死に追いかけると2センターで追い付き、ゴール寸前で金子を差し交わして先着しました。

スプリント1/2決勝2組2本目 最終2センターの攻防

スプリント1/2決勝2組2本目 最終2センターの攻防
最終1センターからスパートした金子(白)を河端(白&緑)が猛追する



1勝1敗になったことで勝負は、4q個人パーシュートを挟んで、35分後の3本目にもつれ込みました。再抽選でインスタートとなった金子が先行します。金子は1周目3角で極端にスローにして、河端を前に出させようとしますが、河端はこれに応じません。そして最終1角でインにコースを取った河端がそのままスパート。金子が差を詰めていきますが、詰め切れないと思ったのか直線で諦めて、河端が先着。2対1で河端が決勝進出を果たしました。

スプリント1/2決勝2組3本目 最終2センター過ぎの攻防

スプリント1/2決勝2組3本目 最終2センター過ぎの攻防
1角から先行した河端(白&緑)が、猛追する金子(白)に2〜3車身の差を付ける


<1/2決勝結果>
○1組 根田空史(千葉)×−○ 渡邉一成(福島) 参考上がり:11秒019
    渡邉一成 ○−× 根田空史 参考上がり:11秒510
○2組 河端朋之(岡山)×−○ 金子貴志(愛知) 参考上がり:10秒577
    金子貴志 ×−○ 河端朋之 参考上がり:10秒433
    金子貴志 ×−○ 河端朋之 参考上がり:10秒497

※いずれも左がインスタート


これでスプリントの決勝は、渡邉と河端の予選1位・2位の対戦となりましたが、1/2決勝で3本目までもつれ込んだ河端は、決勝1回戦が表彰式を挟んで10分後というタイトなスケジュール。どこまで体力を回復させてくるのか、老婆心ながら心配になってきました。

スプリント1/2決勝1本目に続いて行われたのが、チームスプリント。1チーム3人が一斉にスタートし、1周ごとに先頭が離脱して、3人目の選手のゴールタイムで競うものです。この全プロでは8地区のチームがタイムレースで競います。

実はこの種目が行われている時、私はバックヤードで関係者に取材をしていたため、レースを見ていなかったんです。気が付いた時には最終走者の南関東チームの順番になっていました。優勝候補になればなるほど、後ろからのスタートになることから、急いでスタンドに戻ってカメラに収めます。

チームスプリント 南関東チームの激走

チームスプリント 南関東チームの激走 タイムは1分15秒643

<最終結果>
1位:関東チーム 1分14秒150
2位:北日本チーム 1分14秒605
3位:中国チーム 1分15秒276
4位:中部チーム 1分15秒640
5位:南関東チーム 1分15秒643
6位:四国チーム 1分16秒627
7位:近畿チーム 1分17秒718
8位:九州チーム 1分23秒758



優勝した関東チームのタイムは、電動計時が上手くいかず、恐らく手動計時によるものでしょうが、速かったことは確かです。ただ僅差での決着だっただけに、私だけでなくスタンドのファンの皆さんも「?」マークが頭の中を駆け巡っていたと思います。

そしてスプリント1/2決勝2本目に続いて行われたのが、4q個人パーシュート。チームパーシュートと同様、ホームとバックからそれぞれスタートし、追い抜くか先着するかで勝者が決まります。この全プロでは、やはりタイムレースで競います。

ところが私、朝の「味笠」以降この種目の頃まで何も食べておらず、空腹が極みになってしまい、暑さも手伝ってか熱中症になりかけていました。とりあえず、記者室にあったカップ麺をすすって空腹をしのぎましたが、食べ終えた頃には競技が終了。この種目は一切何も見ておりませんし、当然ながら写真もありません(自慢すんな、バカモン!)。すみません!

<最終結果>
1位:渡邉正光(福島)4分42秒290
2位:成松春樹(佐賀)4分44秒002
3位:須賀和彦(茨城)4分46秒254
4位:岡島 登(大阪)4分46秒970
5位:横内裕人(愛媛)4分50秒856
6位:谷口明正(三重)4分51秒451
7位:高田大輔(岡山)4分54秒817
8位:荒木伸哉(静岡)4分59秒907



一旦競技はここで中断し、チームスプリントと4q個人パーシュートの表彰式が行われました。まずはチームスプリントです。

チームスプリント表彰式

チームスプリント表彰式
左から2位:北日本チーム、優勝:関東チーム、3位:中国チーム



続いて4q個人パーシュートです。競技を見ていない申し訳なさを加えながら、カメラのシャッターを切ります。

4q個人パーシュート表彰式

4q個人パーシュート表彰式
左から2位:成松春樹、優勝:渡邉正光、3位:須賀和彦



表彰式に続いて、スプリントの決勝が行われます。3本勝負の2本先制で行われ、1本目と2本目のインターバルは15分しかありません。1/2決勝と同様、ここでは便宜上連続して紹介します。

渡邉一成と河端朋之の決勝ですが、先述の通り、1/2決勝から時間を置かずにレースに臨む河端のコンディションも心配です。その点から、スタンドからは渡邉有利の声があちらこちらから聞かれました。ただ河端はそれを百も承知でしょう。

1本目は、河端が先行義務のあるインスタートで始まりました。河端は1周目3角でスタンディングするなど、渡邉に揺さぶりを仕掛けます。最終1角から徐々にペースを上げて行く河端でしたが、難なく追走した渡邉がBKで河端を捉えると、河端も踏むのを止め、そのまま渡邉が流しながら先着しました。

スプリント決勝1本目 最終3角の攻防

スプリント決勝1本目 最終3角の攻防
徐々にペースを上げた河端(白&緑)だったが、渡邉(白)が捉えて突き放す



15分後に行われた2本目は、内外入れ替わって渡邉がインスタート。最終HSでイン側に入った河端が1センターから果敢に先行を仕掛けますが、渡邉が4角で追い付くとその勢いで抜き去って、優勝を決めました。

スプリント決勝2本目 最終4角の攻防

スプリント決勝2本目 最終4角の攻防
1センターから果敢に先行した河端(内・白&緑)を渡邉(外・白)が捉える


<スプリント決勝結果>
○1本目 河端朋之(岡山)×−○ 渡邉一成(福島) 参考上がり:11秒681
○2本目 渡邉一成 ○−× 河端朋之 参考上がり:10秒564

※いずれも左がインスタート


渡邉が貫録の勝利を挙げ、この種目9年ぶり3回目の優勝を果たしました。日本代表の中心に位置する渡邉ですが、東京五輪までこの勢いが続いてくれることを願ってやみません。

決勝1回戦に続いては3位・4位決定戦で、こちらは一本勝負です。金子貴志と根田空史との対戦。スプリント王・金子のベテランらしいテクニックが勝るのか、いま勢いのある根田が表彰台へ強行突破するのか、注目の一戦です。

金子のインスタートでレースが始まりました。序盤から金子が超スローペースで進み、BKでスタンディング合戦になります。最終HSに入ってもにらみ合いが続きましたが、1センターの頂上から金子が大きく蛇行しながら先にスパート。根田もピッタリ番手にはまろうとしますが、最終3角で再度踏み直した金子が先着し、3位に輝きました。

スプリント3位・4位決定戦 最終2センターの攻防

スプリント3位・4位決定戦 最終2センターの攻防
先に仕掛けた金子(白)が、根田(紺)を振り切ろうと踏み直して行く


<スプリント3位・4位決定戦結果>
金子貴志(愛知)○−× 根田空史(千葉) 参考上がり:10秒864

※左がインスタート

金子は、3回戦までもつれ込んだ河端との1/2決勝を戦った後にもかかわらず、根田をまるで子ども扱いにする上手いレースを披露しました。さすがスプリントで頂点を極めたことのある選手は違うなと感じさせました。

これでいよいよ残るは女子ケイリンの決勝・順位決定戦、そしてケイリンの決勝です。親王牌のシード権を巡る戦いが佳境を迎えます。


そのE・最終回に続く)
この記事へのコメント
スプリント準決勝三回戦で河端・金子両選手の踏み出しがほぼ同時になった記憶があります。その分差を詰める事ができなかった金子選手は無念の敗退、しかし三位決定戦では駆け引きの上手さが光る逃げ切りでした。
時計のトラブルはスタンドも多少しらけたムードが漂いました。同じくタイムが出なかった近畿チームは下位の成績でしたが、優勝チームのタイムが後発表というのは?なお個人的にはチームスプリントはサンサンバンクで観たいですね。私の兄に言わせると「500バンクでやれば(1500m走る)第3走者は死ぬぞ」と(;^_^A。
2走目で走った成松選手がトップタイム残して迎えたパーシュート4走目、前半は岡嶋選手がラップタイムで成松選手を4秒程度上回るハイペースで飛ばしました。7周目くらいでペースダウン、8周目辺りで橋本アナの「両選手とも成松選手を上まわる可能性」の放送が流れます。9周目で渡邉選手が岡嶋選手を逆転したと記憶しますが、しっかりとペースを守った渡邉選手が優勝決めました。前半は私を含め全ての観客(と橋本アナ)が岡嶋選手に注目する中、自分のレースを続けた渡邉選手に拍手です。
Posted by コタカ at 2017年06月10日 11:56
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