2017年06月05日

「第62回全日本プロ選手権自転車競技大会」が開かれました(そのC)

和歌山競輪場で、5/29(月)に「第62回全日本プロ選手権自転車競技大会(全プロ競技会)」が行われました。寛仁親王牌のシード権をかけて、スター選手・トップ選手が、普段の競輪とは違った雰囲気の中、熱いレースを繰り広げました。その「全プロ競技会」の様子を紹介する6回シリーズ(予定)。今回が4回目です。

エリミネイションレース・1qタイムトライアルともに地元和歌山勢が惨敗してやや意気消沈してしまいましたが、続く種目はケイリン1/2決勝(準決勝)です。9人ずつ3組に分かれて、普段の競輪と同様、3着までが決勝に勝ち上がることができます。ただルールは、改正されたUCIルールですから、一概には言えませんが、最内枠が有利で大外枠が不利になりそうな感じであることは、午前中の予選で分かりました。

そうしている内に1組の9選手がスタンバイ完了。この組は平原と三谷、脇本がセットになっていて、仕掛けるタイミングなどが注目されました。そしてガールズケイリンと同様、ペーサー(誘導員)がBKからスタートし、レースが始まりました。

ケイリン準決勝1組 スタンバイ完了!

ケイリン準決勝1組 スタンバイ完了!


<VTR>初周の並びはA山本伸一−C西岡拓朗−E西岡正一−G香川雄介−B三谷竜生−F平原康多−D天田裕輝−H脇本雄太−@山田義彦の順。残り2周のHSでペーサーが強制退避し、ジャン前BKから平原が天田を連れて前団を叩きに出る。正攻法の山本も併せて突っ張ろうと前々踏み上げる。

ケイリン準決勝1組 ジャン過ぎ2センターの攻防

ケイリン準決勝1組 ジャン過ぎ2センターの攻防
F平原がジャン前BKから踏み上げると、正攻法のA山本も併せながら突っ張る



最終HSで平原は山本を叩き切って先行勝負に出る。叩かれた山本は3番手に収まり、捲り返すタイミングを計る。しかし後方から脇本が捲り返しに出て、前団に迫る。

ケイリン準決勝1組 最終2角の攻防

ケイリン準決勝1組 最終2角の攻防
最終HSでA山本を叩いたF平原が先行。H脇本が捲り返すべく、前団との車間を詰める



脇本は最終3角で平原を捉えて先頭へ躍り出る。脇本を追走した山田が千切れながらも喰らい付いていく。平原後位の天田も切り替えようとする。

ケイリン準決勝1組 最終4角の攻防

ケイリン準決勝1組 最終4角の攻防
最終HSから捲り返したH脇本がF平原を3角で捉えて先頭へ。@山田が離れながらも喰らい付いて行く



結局、脇本が後続を振り切って1着になり、山田が2着を確保。山田を目標に追い込んだ三谷が3着を確保する。

1着:脇本雄太(福井) 決まり手:捲り 参考上がり:10秒796
2着:山田義彦(埼玉)
3着:三谷竜生(奈良)



脇本の圧巻の捲りにスタンドは拍手喝采です。その興奮が冷めやらぬまま、準決勝2組の選手が登場です。ここには、浅井・新田の「ドリーム・シーカー」チームの2人がいて、その他7人もくせ者ぞろいです。

ケイリン準決勝2組がスタンバイ完了

ケイリン準決勝2組がスタンバイ完了


<VTR>初周の並びはB中井太祐−F浅井康太−A新田祐大−@佐藤慎太郎−G石井秀治−E岩津裕介−C中村浩士−D東口善朋−H木暮安由の順。残り2周のHSでペーサーが強制退避すると、最後方の木暮がインをすくって前々上昇する。中井が突っ張り先行含みでペースを上げて行くところ、中団から岩津が一気にカマして行こうとする。これに中村・東口も付いて行く。

ケイリン準決勝2組 ジャン過ぎ2センターの攻防

ケイリン準決勝2組 ジャン過ぎ2センターの攻防
B中井が突っ張ろうとするところ、ジャンBKでE岩津がカマシ先行。C中村・D東口も付いて行く



岩津のカマシが成功するも、最終HSから新田が早目の捲り返しに出る。これに浅井も後捲りで参戦する。

ケイリン準決勝2組 最終1センターの攻防

ケイリン準決勝2組 最終1センターの攻防
E岩津のカマシを、最終HSから捲り返したA新田が迫る。新田の仕掛けに呼応してF浅井も後捲りで参戦



新田は最終2角で岩津を捉えて先頭へ。後続を千切って行こうとする勢いの中、浅井が新田番手まで追い上げる。この2車を追いかけて、岩津後位の中村が切り替えていく。

ケイリン準決勝2組 最終3角過ぎの攻防

ケイリン準決勝2組 最終3角過ぎの攻防
A新田とF浅井が後続を千切って直線へ。この2車を追いかけて、C中村が切り替え追走する



結局、新田が浅井の追走を振り切って1着になり、浅井が2着に続く。3着には、木暮の猛追をしのいだ中村が確保する。

1着:新田祐大(福島) 決まり手:逃げ 参考上がり:11秒095
2着:浅井康太(三重)
3着:中村浩士(千葉)



新田の捲り(決まり手は先行)もすごかったんですが、それを追いかけ番手マークにまで追い込んだ、浅井のスピードにもビックリしました。東口が敗退し、1組の西岡ともども和歌山勢は敗退が決定です。残念!

そしていよいよ残る3つの椅子をかけて、3組の9人がスタート位置に整列しました。この組には、深谷や原田、井上、松岡などスピード自慢が顔を揃えました。

ケイリン準決勝3組スタンバイ完了

ケイリン準決勝3組スタンバイ完了


<VTR>初周の並びはA井上昌己−@深谷知広−E友定祐己−F原田研太朗−H稲川翔−C松岡貴久−B園田匠−D山田英明−G安部貴之の順。残り2周のHSでペーサーが強制退避するも、後続からの仕掛けはなく、ジャン前2角から正攻法の井上がペースを上げる。

ケイリン準決勝3組 ジャン4角の攻防

ケイリン準決勝3組 ジャン4角の攻防
ジャン前2角からA井上がペースを上げて成り行き先行。一列棒状は変わらず



後続の仕掛けがないまま一本棒の隊列は変わらず。井上番手の深谷が車間を空けつつ、後続の仕掛けを警戒する。

ケイリン準決勝3組 最終1角の攻防

ケイリン準決勝3組 最終1角の攻防
A井上が快調に飛ばして行くも、番手追走の@深谷が後続の仕掛けを警戒して車間を切る



深谷が最終2角から番手捲りに打って出る。直後マークする友定は、初めは付いて行けたものの、直線に入ると付きバテで千切れてしまう。後続もバラバラの展開になる。

ケイリン準決勝3組 最終直線の攻防

ケイリン準決勝3組 最終直線の攻防
@深谷が後続を千切ってセーフティーリードを築く。マークしたE友定は付きバテで千切れてしまう



結局、深谷がラスト流し気味にゴールする完勝。2着には友定後位から直線差し交した原田、3着にはさらにその後ろの稲川が流れ込みました。

1着:深谷知広(愛知) 決まり手:捲り 参考上がり:10秒699
2着:原田研太朗(徳島)
3着:稲川翔(大阪)



深谷の圧倒的なスピードにスタンドはため息ばかりです。ただ、新ルールで2番手位置を確保できていたことも大きかったでしょう。これでケイリンの決勝進出メンバーが決定。脇本・新田の日本代表に、浅井・深谷・原田などタテ脚のスピード自慢が勢揃い、2時間半後の決勝が楽しみになって来ました。

続く種目は、エキシビションの女子ケイリン「わかちゃんグランプリ」予選です。13人のガールズ選手が参加しましたが、このうち8人がルーキー110期生です。最近の全プロ・ガールズケイリンは、ルーキーのお披露目を兼ねて実施されているようです。ただ、ルールは男子と同様、UCIルールで行われます。そのため、通常のガールズケイリンよりも、誘導退避のタイミングが半周早くなります(ガールズルールはジャンで退避。UCIルールは赤板HSで退避)。またスタートの並び順でペーサー(誘導)を追いかけなければならないのも、通常のガールズルールとは異なります。

そのあたりの解説が場内実況で行われている内に、1組の6人が登場。スタート位置に整列します。ここには、先輩選手である地元和歌山の山本知佳や元砂七夕美(奈良)がいて、スタンドからは大きな声援が飛んでいました。ただルーキー4人の中に在校2位の太田りゆ(埼玉)や卒記チャンプの梅川風子(東京)もいて、なかなか激しいレースになりそうな予感がしました。


<VTR>初周の並びはC梅川風子−D中西叶美−A太田りゆ−B元砂七夕美−@山本知佳−E内村舞織の順。

女子ケイリン予選1組 2周目1センター

女子ケイリン予選1組 2周目1センター


残り2周のHSでペーサーが強制退避。後続からの仕掛けがないところ、ジャン前BKから山本がジワリと上昇を見せる。正攻法の梅川も山本の動きを警戒しつつ、ペースを上げて行く。

女子ケイリン予選1組 ジャン過ぎ2センターの攻防

女子ケイリン予選1組 ジャン過ぎ2センターの攻防
@山本が上昇を見せると、正攻法のC梅川が徐々にペースアップを図る



しかし梅川が後方を警戒するあまりインを開けてしまい、中西が内を突いて先行態勢に入る。さらに太田が前団をカマシ気味に叩いて先頭に躍り出る。ここに山本も追走し、前団は2列並走になる。

女子ケイリン予選1組 最終1センターの攻防

女子ケイリン予選1組 最終1センターの攻防
C梅川のインをすくってD中西が叩いて出るも、A太田がカマシ気味に2車を叩いて先行



太田がハナを切るところ、梅川が太田と山本の間に割り込んで叩き返しを狙う。梅川は太田の横まで来るものの、そこで車の勢いが止まる。内村の捲りに併せて、梅川後位の山本が外へ車を持ち出す。

女子ケイリン予選1組 最終2センター過ぎの攻防

女子ケイリン予選1組 最終2センター過ぎの攻防
A太田のカマシを巻き返そうと、C梅川が太田の横まで追い上げるも脚色が一杯に。E内村の捲りに併せて、@山本が車を外に持ち出す



梅川はなんとか太田を捉えるも、梅川マークから直線伸びた山本が1着になる。梅川が2着で、外伸びた内村が3着に続く。

1着:山本知佳(和歌山) 決まり手:差し 参考上がり:12秒966
2着:梅川風子(東京)
3着:内村舞織(福岡)



卒記チャンプの梅川を山本が差し交わそうとすると、スタンドからは「知佳ちゃん、頑張れ!」の大声援。その応援に後押しされるように山本が1着になると、スタンドからは大拍手が沸き起こりました。「ハニカミ天使」の山本も、スタンドからの拍手に手を上げて笑顔で応えます。

スタンドからの声援に手を上げて応える山本

スタンドからの声援に手を上げて応える山本


山本1着の興奮冷めやらぬまま、予選2組の選手が登場。ここは通常のガールズ同様、7選手が参戦。先輩格の野口諭実可(群馬)・山本レナ(京都)・中嶋里美(愛知)に、ルーキー在校1位の大久保花梨(福岡)、在校4位の吉村早耶香らが挑む構図です。


<VTR>初周の並びはE鈴木美教−B中嶋里美−A大久保花梨−D山本レナ−C吉村早耶香−F坂口楓華−@野口諭実可の順。

女子ケイリン予選2組 1周目2センター

女子ケイリン予選2組 1周目2センター


ペーサー退避後のジャン前1センターから、徹底先行の吉村が前団を叩くべく踏み上げる。これを併せようと中嶋・大久保も前々踏み上げる。

女子ケイリン予選2組 ジャン前2角の攻防

女子ケイリン予選2組 ジャン前2角の攻防
C吉村が叩き先行を狙って上昇。B中嶋・A大久保も併せて踏み上げる



ジャンで中嶋がハナに立つも、吉村も先行争いに加わり、前団は雁行状態になる。大久保はこの先行争いの成り行きを後ろで窺う。

女子ケイリン予選2組 ジャン過ぎ2センターの攻防

女子ケイリン予選2組 ジャン過ぎ2センターの攻防
ジャンでハナに立ったB中嶋を叩き返すべく、C吉村が踏み合いを挑む



この先行争いは吉村に軍配が上がるも、叩かれた中嶋は吉村の番手にはまる。1角から山本が捲り返しに出たのを見て、大久保が2角から併せ気味に捲り上げる。

女子ケイリン予選2組 最終2角の攻防

女子ケイリン予選2組 最終2角の攻防
C吉村の叩き先行を、D山本の捲り上げに併せてA大久保がスパート



捲り発進の大久保は後続を千切って一人旅状態に。鈴木が必死に追いかけるも、差は縮まらず広がる一方です。

女子ケイリン予選2組 最終3角過ぎの攻防

女子ケイリン予選2組 最終3角過ぎの攻防
BKから捲り上げたA大久保は一人旅状態で後続を千切る。E鈴木・F坂口が必死に追いかける



結局、大久保が後続を寄せ付けず1着になり、鈴木・坂口がそれぞれ2着、3着に続く。

1着:大久保花梨(福岡) 決まり手:捲り 参考上がり:12秒787
2着:鈴木美教(静岡)
3着:坂口楓華(京都)



在校1位・大久保のスピードにスタンドのファンも圧倒されていました。既に小林優香・児玉碧衣といったガールズコレクション級を輩出している久留米から、2人に匹敵する新星が登場したことを実感させました。
そしてこれで、女子ケイリンも決勝進出メンバーが決定。1着通過した地元の山本知に期待がかかりますが、前評判通りの強さを発揮した大久保や梅川も手強そうです。4着の2人のうち抽選での勝ち上がりは元砂となりましたが、112期生の5人が有利にレースを進めそうな感じもしました。

さて、ここで競技は一旦中断。表彰セレモニーの場に移ります。まずは4qチームパーシュートの表彰です。

4qチームパーシュート表彰式

4qチームパーシュート表彰式
左から2位:北日本チーム、優勝:南関東チーム、3位:関東チーム



続いて、エリミネイションレースの表彰です。

エリミネイションレース表彰式

エリミネイションレース表彰式
左から2位:根本哲吏、優勝:小林潤二、3位:西村光太



そして1qタイムトライアルの表彰です。トレードマークの大きな黒縁メガネをかけた早坂らが登壇です。

1qタイムトライアル表彰式

1qタイムトライアル表彰式
左から2位:大槻寛徳、優勝:早坂秀悟、3位:竹内雄作



宮城でワンツーとなった早坂と大槻は、セレモニー後も取材陣から求められたツーショット写真に応じていました。

ツーショット写真に応じる大槻(左)と早坂

ツーショット写真に応じる大槻(左)と早坂


早坂が1回目の来場者抽選会のくじ引きをしている間にも、次の競技の準備がされていました。クライマックスが徐々に近づいて来ました。


そのDに続く)
この記事へのコメント
ナショナルチームの練習では相変わらず4倍超のギヤを履いてるであろう脇本選手、準決勝でもまくり爆発。準決勝3個レースで私が一番テンション上がった瞬間でした。本番の競輪でも脇本選手が平原選手をバンバン捲って欲しいもの(^-^)。第2レースは中団岩津選手が仕掛けて多少の変化がありましたが、第3レースはルール改正の弊害(まだ言い切っていけないかな?)で凡戦。
卒業レースVおよび在校ランク上位選手のルーキーがこぞって参戦となったわかちゃんグランプリ。予選はルーキーの仕掛けだけが目立つレースになりました。早くもデビューが楽しみです。
Posted by コタカ at 2017年06月10日 11:50
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