2016年07月29日

ガールズ戦士よ、夏の太陽の如く高く大きく強く輝け! 「ガールズケイリン」和歌山開催リポート(そのC・最終回)

和歌山競輪場では、7/22(金)〜24(日)の3日間、「ガールズケイリン(FU)」が開催されました。通算10回目となる和歌山ガールズ開催の様子を「ガールズ戦士よ、夏の太陽の如く高く大きく強く輝け!」と題して紹介する4回シリーズ。今回が最終回です。


○最終日 7/24(日)

前日(2日目)は薄曇りで晴れ間も覗いていましたが、この日はどんよりと厚めの雲が空を覆っていました。雨の心配はなさそうでしたが、ちょっぴり心配な空模様。しかも、風が初日・2日目より強く吹いていたこともあって、ガールズは前輪・後輪ともスポークホイールでのレースとなりました。

最終日の上空は前日以上に薄雲が広がっていました

最終日の上空は前日以上に薄雲が広がっていました


この日も高校野球中継のスタジオ進行の段取りなどで、競輪場に着いたのが、ガールズレース直前のPM2時20分。記者室に荷物を預け、決勝取材に来られていた報知新聞の内田修身記者と軽く談笑していると、あっという間に9Rガールズ一般戦の発走時刻になりました。

<最終日9R VTR>
号砲で@山本レとF井上が飛び出し、枠順を活かして山本レが正攻法に収まります。周回中の位置取りは、山本レ−A藤谷−B山本−C三宅−井上−D中嶋−E杉沢の順。赤板HS(残り2周)を迎え、井上が上昇し3番手で山本知の外で並走、この動きを杉沢も追走します。ジャン直前で藤谷が山本レを叩いて先頭へ躍り出ると、井上がさらに前々踏んで行きますが、叩かれた山本レも2番手に収まり、位置を譲りません。

最終日9R ジャン2センターの攻防

最終日9R ジャン2センターの攻防
正攻法の@山本レを叩いてA藤谷が先頭へ。F井上が追い上げるも、山本レは番手に収まり、位置を譲らない



最終HSを前に、2センター過ぎから杉沢が前団を叩きに出ましたが、これを見た山本レが藤谷を叩き返しに出て、最終HSでは山本レが最終主導権を奪います。杉沢が失速し後退すると、捲り上げようとした中嶋があおりを喰らいます。それを横目に、山本知が山本レを追って前々踏み上げます。

最終日9R 最終1センターの攻防

最終日9R 最終1センターの攻防
E杉沢の仕掛けを見た@山本レが、A藤谷を叩き返して先行勝負。捲り返そうとしたD中嶋は杉沢を避けて外に車を持ち出す。B山本知が前々踏んで行く



最終BKに入ると、藤谷が番手から再度捲り返そうとしますが、山本レのカカリも良く、出切る所まで行きません。中嶋も外々踏まされているだけに、前団に迫りきれません。そして藤谷後位の山本知が、早めの差しに構えて、車を外に持ち出します。

最終日9R 最終2センターの攻防

最終日9R 最終2センターの攻防
@山本レが快調に飛ばし、番手捲ろうとしたA藤谷は前に出られず。D中嶋も外に浮き加減で、藤谷追走のB山本知が早目の差しに構える



山本レが粘るところ、中バンクから山本知が鋭く追い込み、自身初勝利を地元バンクで飾りました。2着には山本レが残り、3着には山本知マークから直線伸びた井上が飛び込みました。


中嶋⇔三宅からの車券が人気を集めていましたが、山本知が直線で先頭に立つと、スタンドのファンから「知佳ちゃん頑張れ、頑張れ!」という声援が上がりました。そして1着でゴール線を通過した瞬間、それが拍手と歓声に変わり、HSに山本知が戻って来るとさらに大きな祝福の声が上がりました。そして3着にノーマークの井上が入ったことで、車券も3着穴の意外な好配当となり、スタンドから驚きの声が上がります。

山本知選手初勝利&3着穴で3万円台の波乱に

山本知選手初勝利&3着穴で3万円台の波乱に


そして地元選手が1着ということで、ファンに選手会タオルのプレゼントが行われます。初勝利が地元戦で、タオル投げも初めてとなる山本知選手が、バンクに再び姿を現しました。

地元選手1着のファンサービスに登場する山本知佳選手

地元選手1着のファンサービスに登場する山本知佳選手


集まったファンからの「知佳ちゃん、おめでとう!」の声に、少しはにかみながら登場の山本知佳選手。いつものタオル投げ以上に集まったであろうスタンドのファンに、選手会タオルを嬉しそうに投げ入れていました。

初勝利を大勢のファンが祝福です

初勝利を大勢のファンが祝福です


レース後コメントを取るべく急いで検車場に向かうと、敢闘門前の選手待機スペースで、山本レを発見。2日目同様、力を出し切った様子です。

果敢に先行して2着の山本レ「押し切りたかった」

果敢に先行して2着の山本レ「押し切りたかった」

「惜しかったね」と声を掛けると、「自分のレースはできたんですが、押し切りたかったです」と悔しさを覗かせました。「末(脚)が甘いんで、そこをさらに強化しなければダメですね」と、次回以降の課題を上げていました。


その山本レに果敢に先行勝負を仕掛けた杉沢は6着。前日までと同様、レベルアップを誓っていました。

杉沢選手「まだまだ回復途上。レベルアップしなければ」

杉沢選手「まだまだ回復途上。レベルアップしなければ」

玉のように吹き出る汗も気にせず「思い切って(叩きに)行きましたが、出させてもらえませんでしたね」とレースを振り返ってくれました。「仕掛けて行こうという意識があれば、復活は日にち薬なんじゃないのかな?」と話すと(エラソ〜に!)、「まだまだ復活途上です。自分がさらにレベルアップしなければ、周りのレベルも上がっているから厳しいままですね」と、今後の抱負も聞かせてくれました。


山本知を追走して3着に飛び込んだ井上。手放しで喜んでいると思いきや、自身のポジションを冷静に見つめていました。

井上選手「現状の点数状況から上積みしたい」

井上選手「現状の点数状況から上積みしたい」

「山本知さんの後ろを離れずに付いて行けたのが、3着につながりました」と、結果には満足の様子。しかし「いま47点ジャストの自分にとって、これで満足してられないです」と、ガールズの代謝制度の基準となる(平均競走得点)47点をクリアーすることが最重要課題としていました。「これまで代謝制度で引退されたガールズ選手に負ける(先着される)こともあったんで、クリアーするためにはまだまだ頑張らなければダメですね」と、気を引き締めていました。


そして初勝利を挙げた山本知が、クールダウンを終えてローラー室から出てきました。もっと喜んでいるのかと思いきや、他の選手への遠慮なのか、落ち着きを取り戻したのか、淡々と取材に応じてくれました。

山本知佳「初勝利は嬉しいけど、課題も残った」

山本知佳「初勝利は嬉しいけど、課題も残った」

「初勝利おめでとう」と声を掛けると、やはりちょっぴりはにかみながら「ありがとうございます」と応えてくれました。自身でも気合いを入れて臨んだ地元戦でしたが、決勝進出は叶わず。「決勝には乗りたかったんですが、まだまだ力が足らないということですね」と自己評価。しかし初勝利を挙げたことは「思いもしませんでしたが、やっぱり嬉しいです」「外に浮いたままで、ヤバいなって見ていて思ったけど、冷静やったね」と感想を伝えると(またまたエラソ〜に!)、「なかなか厳しいレースで、どうしよう、どうしようの連続」だったそうです。「課題もたくさん残ったんで、一つ一つクリアーしていきたいです」と、前を向いていました。


ちなみに山本知へ話を聞いている間じゅう、今回のシリーズ通じて取材に来られていたJKAのオフィシャルTVカメラのV録りが回っていて、むしろ私が緊張する始末(バカ)。普段できていないところ、いつも以上にきちんと質問できませんでした(他人のせいにすんな! バカモン!)。思わずカメラマンさんに「私のところは可能な限りカットで」とお願いする始末です(大丈夫、心配せんでも間違いなくカットされるよ…)。


そして地元のルーキー・日浦崇道選手が登場した10R「チャレンジ決勝」をはさんで、11R「ガールズ決勝」が行われました。

<最終日11R VTR>
号砲でC東口が飛び出して一旦正攻法に入りましたが、後方から上昇して来たD長澤−E尾崎を正攻法に迎え入れ、東口は3番手に下がります。序盤の位置取りは、長澤−尾崎−東口−A福田−B中川−@渡辺−F野口の順。自力のある選手が多いとあって、ジャンを過ぎて誘導員が強制退避した後も仕掛ける動きはなく、お見合い状態が続きます。

最終日11R「ガールズ決勝戦」 ジャン2センターの攻防

最終日11R「ガールズ決勝戦」 ジャン2センターの攻防
C東口がD長澤−E尾崎を迎え入れる。誘導退避後も隊列一本棒で動きがないまま、長澤が徐々にペースを上げて行く



長澤が徐々にペースを上げ、最終HSは隊列一本棒で迎えます。そして5番手位置の中川が、一気に踏み込んで長澤を叩くべく、カマシ先行策に出ます。長澤も慌てて踏み込み、さらにペースアップを図ります。

最終日11R「ガールズ決勝戦」 最終1センターの攻防

最終日11R「ガールズ決勝戦」 最終1センターの攻防
5番手からカマシて来たB中川が、ペースアップした先頭のD長澤を捉えようとする



中川は最終2角で長澤と捉えて先頭に躍り出ますが、今度は尾崎が長澤後位から中川後位へ切り替えます。

最終日11R「ガールズ決勝戦」 最終バック進入の攻防

最終日11R「ガールズ決勝戦」 最終バック進入の攻防
B中川は最終2角でD長澤を捉えて先頭に躍り出る。E尾崎が長澤後位から中川後位へ切り替える



中川後位へ切り替えた尾崎は、休まずそのまま捲り上げると、最終3角で先頭に立ちます。尾崎後位の東口も喰らい付いていきます。そして最終BKから前団を目標に捲り上げた野口も迫ります。

最終日11R「ガールズ決勝戦」 最終4コーナーの攻防

最終日11R「ガールズ決勝戦」 最終4コーナーの攻防
B中川後位へ切り替えたE尾崎が、休まずさらに捲り上げると、最終3角で先頭に躍り出る。尾崎マークのC東口が喰い下がる。最終BKから捲り返したF野口が迫る



尾崎は勢いそのままに後続の追撃をしのいで、Vゴールを駆け抜けました。2着には尾崎後位を追走した東口、3着には捲り追い込んだ野口が突っ込みました。


表彰式に現れた尾崎選手は、お立ち台に上がると元ビーチバレー選手だけに、ひときわ背が高く見えました。優勝インタビューでは「初日に交わされた東口さんが、番手にいるのが分かっていたんで、最後の最後まで気が抜けませんでした」と本音を吐露。最後にインタビュアーの三浦耕司アナからマイクを渡された尾崎選手は「神奈川登録だからか、近畿に呼ばれることは少ないんですが、また呼んでもらえるよう頑張ります」と力強く話してくれました。

優勝インタビューでファンにあいさつする尾崎選手

優勝インタビューでファンにあいさつする尾崎選手「また近畿に呼んでもらえるよう頑張ります」


県公営競技事務所・中松定寛所長(左)と記念撮影する尾崎選手

「わかちゃん」ぬいぐるみを手に、県公営競技事務所・中松定寛所長(左)と記念撮影する尾崎選手


今回のガールズ開催は、SNF決勝に進出した3選手や、デビュー2場所目で地元初参戦の山本知佳選手のレースぶりに注目が集まりましたが、それぞれが見せ場を作ってくれました。その中で優勝した尾崎選手のスピードや、先行・捲り両面の立ち回りは目を見張るものでした。中2日の疲れも見せず決勝進出した中川・長澤の奮闘、東口の追込み脚は印象に残りましたが、決勝進出を逃したものの地元ファンの前で見せてくれた山本知佳の初勝利には、心から拍手を送りたいです。

そして各ガールズ選手が異口同音に「ガールズのレベルが上がっている」と言うように、今回の開催は過去9回の和歌山ガールズ開催以上に、各レース接近戦となっていて、一団でゴールしていました。こういうレースを披露できるようになれば、ますますガールズケイリンの魅力がアップしてくれるものと期待できます。今回のタイトルのように参加した14人の選手が、今回の開催をステップにして、真夏の太陽のように「高く」「大きく」「強く」さらに輝いてくれることを期待して、今回シリーズの取材を終えました。

次回の和歌山ガールズ開催は、9/5(月)〜7(水)の平日3日間です。昨年12月の和歌山開催決勝で失格を喰らった奥井迪(東京・106期)や、オレンジバンクで好走している中村由香里(東京・102期)、デビュー場所で決勝2着だった荒川ひかり(茨城・110期)、近歴は優勝争いの一角担う三宅玲奈(岡山・108期)、キュートなスピードスター小川美咲(静岡・106期)、今節好調だった東口純などが出場予定です。残念ながら地元の山本知佳はあっせんされていませんが、暑さが和らいでくる初秋のオレンジバンクを、さらに熱くさせてくれることを期待したいと思います。(出場予定選手リストはこちら


(「ガールズ戦士よ、夏の太陽の如く高く大きく強く輝け!」の項 おわり)
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