2016年02月15日

スピードの乙女たちよ、チャンスをつかめ! 「ガールズケイリン」和歌山開催リポート(そのB)

和歌山競輪場では、2/8(月)〜10(水)の3日間、「ガールズ&S級シリーズ WBS和歌山放送杯争奪戦(FT)」が開催されました。通算9回目となる和歌山ガールズ開催の様子を「スピードの乙女たちよ、チャンスをつかめ!」と題してご紹介する4回シリーズ。今回が3回目です。


○2日目 2/9(火)

週間予報では、シリーズ3日間は連日晴れベースの予報でしたが、何とこの日は明け方から昼前まで雨。しかも雨上がりの常として、強風がオレンジバンクに吹き荒れました。6R発走直前に競輪場に入ると、ガールズレースは前輪・後輪ともスポークホイールでの実施とのこと。車券締め切り直後にメインスタンドに移動しようとしましたが、あまりの強風にふらついてしまいました(実は、車券が大ハズレによるめまいなんちゃうん?)。

2日目は雨上がりであいにくのコンディション

2日目は雨上がりであいにくのコンディション


<2日目6R VTR>
号砲で外枠2車がゆっくり出ると、E石井が正攻法に収まります。周回中は、石井−B増茂−@松尾−A明珍−C濱田−D梅田−F猪頭の順。風が強いからか、赤板HS(残り2周)を過ぎても誰も動かず、一列棒状のままジャンを迎えます。ジャン過ぎの2センターからやや車間を切っていた増茂が、前々と踏み上げて、先行勝負に打って出ます。

2日目6R ジャン過ぎ4コーナーの攻防

2日目6R ジャン過ぎ4コーナーの攻防
正攻法にE石井が付け、その直後から踏み上げたB増茂が先行勝負に打って出る



増茂の直後にいた松尾は追走できず、正攻法の石井がそのまま増茂の番手にはまります。後続に動きはなく、一列棒状でレースが進みます。

2日目6R 最終1センターの攻防

2日目6R 最終1センターの攻防
先行勝負するB増茂の番手に、正攻法E石井がはまる。後続は仕掛けられず、一列棒状が続く



最終BKでは最後尾の猪頭や、6番手位置の濱田が仕掛けを見せますが、車が前に進みません。最終3角をほぼ一列棒状で進むと、最終4角から番手マークの石井が満を持して差しに構えます。

2日目6R 最終2センターの攻防

2日目6R 最終2センターの攻防
B増茂が快調に飛ばして行くと、番手マークのE石井が差し交わしを狙って車を外に持ち出す



結局、直線で失速した増茂を交わした石井が、復帰後初勝利を飾りました。2着には石井後位の松尾が続き、増茂が3着を確保しました。


明珍は4着に流れ込んで、決勝進出ボーダーを確保しました。

明珍選手「周回中もHSは風が強かった」

明珍選手「周回中もHSは風が強かった」

「風がすごく強くて、周回中もHSはキツかったです」と、風の強さに閉口。しかし「昨日より前(の位置)にいられたのは良かったです」と、位置取りが全てだったようです。


強風を衝いて果敢に先行した増茂。3着にも好感触だったようです。

増茂選手「3着に残れてよかった」

増茂選手「3着に残れてよかった」

「とにかくキツかったですね。私にはあれ(先行策)しかないんで、3着に残れてよかったです」と、決勝進出を決めてホッとした様子。ただ「風を受ける手前、もう少し早めに駆け出したかったです」と、レース運びにはちょっぴり反省も。


復帰後初勝利を飾った石井は、展開に恵まれたことを強調です。

石井選手「決勝に乗れてよかった」

石井選手「決勝に乗れてよかった」

「突っ張り先行するか、どうしようか迷っていたタイミングで増茂さんが来たんで、ラッキーでした」と、強風のなか無理をせず追込みに構えたのが功を奏したようです。「とにかく復帰場所で決勝に残れてよかったです」と、ホッとした様子でした。


石井マークから2着に入った松尾は、増茂の意気込みに驚いていました。

松尾選手「今日は言うことなし」

松尾選手「今日は言うことなし」

「増茂ちゃんが、この風のなか行くこと自体がすごいです」と、増茂の先行意欲を称賛です。「風が強くて、ラストは脚が一杯になってしまいましたが、今日は言うことなしですかね」と、結果オーライの自己評価です。


7Rの発走時刻が近づいてきたため、メインスタンドに移動します。すると選手会道場の近くで、この日誘導員として来ていた地元の西岡正一選手とばったり。直前の京都向日町「国際自転車トラック競技支援競輪(GV)」決勝の話に夢中になってしまいました(「バカ」と言いたいところやけど、こういった取材も大事やからな)。メインスタンドまで移動していてはレースが終わってしまう恐れがあったため、メインスタンドからの撮影をあきらめ、2センターから4コーナーにかけて建っているプレハブスタンドの2センター脇階段(一般ファンは立ち入り不可エリア)に登って、そこからレースシーンを撮ることにしました。

<2日目7R VTR>
号砲で全車けん制状態になり誘導との間隔が大きく空いてしまいます。結局、押し出されるように前に出たD高松が先頭で追いかけ、正攻法に収まります。赤板HS(残り2周)手前で追い付いた際の位置取りは、高松−F荒牧−E飯塚−A東口−B井上−@金田−C山口の順。赤板過ぎで、高松が誘導との車間を空けて後続の動きを待つも、誰も動きを見せません。すると最後方から山口が踏み上げ、高松を叩いて先頭に躍り出ますが誰も追走せず、山口は4〜5車身程度のリードを得るとともにペースを徐々に上げて行きます。

2日目7R ジャン3コーナーの攻防

2日目7R ジャン3コーナーの攻防
正攻法のD高松を叩いたC山口がリードを広げつつ、徐々にペースアップを図る



後続が巻き返して来ないのを見て、山口は最終HSから全力先行に打って出ます。この大カマシが成功し、後続とは15車身ほどの大差を付けます。これに慌てた荒牧らが山口を猛追します。

2日目7R 最終1センター過ぎの攻防

2日目7R 最終1センター過ぎの攻防
最終HSから大カマシを敢行したC山口は、猛追するF荒牧に15車身ほどの大差を付ける



荒牧との差はセーフティーリードかに見えましたが、徐々に山口との差が詰まっていきました。最終3角ではその差がおよそ5車身程度まで縮まりました。

2日目7R 最終3コーナーの攻防

2日目7R 最終3コーナーの攻防
荒牧の猛追で、山口のリードは5車身程度まで縮まる



2センター過ぎで失速する山口を最終4角で荒牧が捉え、そのままの勢いで荒牧が1着に入りました。2着には荒巻マークを死守した飯塚が、3着には飯塚後位を回った東口が確保し、山口は4着に終わりました。


個人的にはこのレースのMVPをあげてもいいほど、果敢なカマシ先行を見せた山口。3着・4着のポイント11点は明珍選手と同点ながら、平均競走得点で下回り決勝進出を逃しました。レース直後は悔しさの余り涙を流していたようですが、報道陣には明るい笑顔で対応してくれました。

山口選手「脚が足らないですね」

山口選手「脚が足らないですね」

「思い切ってカマしましたが、脚が足らないですね」と上位陣との脚力差を痛感したようです。しかし初日の3着に続いて練習の成果が出ていることに手応えを感じたのか「明日が楽しみです」と、早くも照準は最終日の一般戦に向いていました。


2着を確保した飯塚は、レース終盤はきつかったようです。

飯塚選手「ラストは脚が一杯に」

飯塚選手「ラストは脚が一杯に」

「前の状態に戻ってきた感じです」と、前場所より前の好調時の感触を取り戻しつつあるとのこと。しかしこのレースに限っては「何度も脚使わされる形になったんで、ラストは一杯一杯になりました」と、厳しい流れに疲労困憊の様子でした。


大差を追い付いて連勝を決めた荒牧は、山口の動きに反応できなかったのを反省です。

荒牧選手「なかなか辛い展開でした」

荒牧選手「なかなか辛い展開でした」

強風の中、山口の大カマシを喰らったことで「今日はなかなか辛い展開でした」とレースを振り返りました。「(後続の仕掛けに)飛び付こうかどうしようか考えてしまい、ちょっと反応が良くなかったです」と、自ら展開を作れなかったことを悔やんでいました。


これで決勝進出の7名が決定。混戦シリーズと見られていましたが、連勝の荒牧、2着2本の飯塚、積極的な先行策の増茂と、上位陣は順当に勝ち上がりました。復帰戦の石井、和歌山好相性の松尾、調子がイマイチも堅実な東口、連日巧追走の明珍も差はなく、展開次第では波乱の目も十分ありえるメンバー構成です。一般戦も、猪頭や井上が実績上位ですが、今節のラッキーガール梅田・山口のデビュー初勝利も期待できるだけに、こちらも横一線です。

ガールズレースも楽しみですが、男子もA級戦は地元の小林史也が優参し超細切れ戦、S級戦は別線となった関東2ラインが同じく地元の椎木尾と激突という、地元アベックVの期待がふくらみます。最終日はいつも以上にイベントが予定されていて大変ですが「一ファンとしても楽しませてもらえそうやな」と思いながら競輪場を後にしました。


そのC・最終回に続く)
この記事へのコメント
現地観戦となったこの日、特観席の岡本氏の仕事ぶりを初めて見たことになりますが、岸和田にお越しの時以上のテンションでした(^^;;。放送席の井上薫氏はオッズタイムにわざわざ出てきてくれたり、考えたらお二方とは正月の岸和田開催以来。今年もお世話になることでしょう。
Posted by コタカ at 2016年02月19日 20:26
さてレースですが、この日は出番ナシでした梅田選手。決勝戦進出が狙えただけに残念でした。逆に惜しかった飯塚選手、あと一車前の位置取りができてたらアタマも有ったなぁ。ところでスタートで誘導員との車間が空いた時に「お-い 誘導員、ゆっくり行けぇ-!」と大声張り上げたのは私ですf(^_^)。いつぞやの和歌山ガールズ決勝戦でもこんなことがありまして、あの時は高松選手が脚を使うハメになってしまいました(>_<)。
Posted by コタカ at 2016年02月19日 20:36
コタカさんへ

シリーズ連続でのコメントありがとうございます。
梅田・山口の両選手は、このシリーズ敢闘賞級の活躍だったと思います。実際、梅田選手は最終日先行して2着、山口選手も今日(2/20)の取手一般戦で初勝利まであとわずかの2着でした。この和歌山開催が、良いターニングポイントになってますね。
でも結果論ですが、7Rは危うく追走義務違反になりそうな流れでしたからね。何とかレースが成立してよかったです。
Posted by 山本D at 2016年02月20日 13:24
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