2015年10月16日

「紀の国わかやま国体」自転車競技会が開かれました(そのJ・最終回)

9/26(日)〜10/1(木)の5日間、「紀の国わかやま国体」自転車競技が行われました。和歌山県チームが2年連続で総合優勝し、大会新記録も続出した今回の国体。和歌山県勢の活躍を中心に大会の様子を紹介する11回シリーズのリポート。今回がめでたく最終回です。


「紀の国わかやま国体」自転車競技会も、いよいよフィナーレが近づいてきました。残るはケイリンの少年男子・成年男子の決勝のみです。未来の競輪選手(になるのが期待される選手)たちによるファイナルということで、私も他の種目以上に注目しました。

まずは少年男子の決勝です。雨が降る中、6選手がスタート位置に付きました。

号砲で三浦(宮城)が飛び出して、正攻法に付けます。ペーサー後位からの並びは、三浦−伊藤(沖縄)−丹内(岩手)−山本(岐阜)−嵯峨(宮城)−坂田(佐賀)の順。ペーサー退避の残り1周半から、坂田が上昇すると、さらに山本が車を外に持ち出してカマシ先行に打って出ます。

少年男子ケイリン決勝 最終1センターの攻防

少年男子ケイリン決勝 最終1センターの攻防
カマシ先行が成功した山本(岐阜、赤)が後続を千切って行く。山本に叩かれた三浦(宮城、青&赤タテ二本線)が追い付こうと喰らい付く



そして山本を追いかけた三浦が最終2センターで追い付くと、そのままの勢いで差し交わしに出ます。

少年男子ケイリン決勝 ゴール前直線の攻防

少年男子ケイリン決勝 ゴール前直線の攻防
山本を捉えた勢いで、三浦(宮城、青&赤)がVゴール目指してスパートする



結局、三浦がVゴールを駆け抜け、2着には山本が逃げ粘りました。そして嵯峨選手が後続4人の争いを制して3着に入りました。

そして、いよいよ最後の競技種目・成年男子ケイリン決勝です。和歌山県から岡本選手が登場とあって、スタンドからは一層大きな声援が上がっていました。

号砲が鳴ってスタート。ペーサー後位の正攻法には、森本(高知)が収まりました。周回中の位置取りは、森本−小林(福岡)−藤根(岩手)−岡本(和歌山)−黒枝(大分)−佐藤(青森)の順。残り1周半のペーサー退避を合図に、岡本が上昇して小林を抑える形になります。

成年男子ケイリン決勝 4周目3角の攻防

成年男子ケイリン決勝 4周目3角の攻防
岡本(和歌山、オレンジ&青)が上昇して、小林(福岡、紺&青)を抑える。岡本の動きを黒枝(大分、青&ピンク)が追走する



すると、一人大外へ車を持ち出していた佐藤が、山おろしを使って一気にカマシ先行に打って出ます。これで他の5車は仕掛けるタイミングを失い、佐藤は3車身ほどのリードを得ます。

成年男子ケイリン決勝 最終1センターの攻防

成年男子ケイリン決勝 最終1センターの攻防
最終HSからカマした佐藤(青森、青&緑&赤)が3車身ほどリード。これを森本(高知、青&黄)が追いかける



森本は最終3角で佐藤に追い付き、そのままの勢いで捲り返します。森本後位には小林が追走し、直線は森本と小林の事実上のマッチレースとなります。

成年男子ケイリン決勝 ゴール前直線の攻防

成年男子ケイリン決勝 ゴール前直線の攻防
佐藤を捉えた森本が、Vゴール目がけてラストスパート。森本後位から小林(福岡、紺&青)が激しく詰め寄る



結局、森本がそのまま押し切って優勝を飾りました。2着には小林が続き、後続集団から抜け出した藤根が3着を確保しました。そして岡本選手は仕掛けるタイミングが遅れ、残念ながら追走一杯の5着に終わりました。

これですべての競技が終了。和歌山県チームの国体総合2連覇は確実でしたが、発表があるまではどうなるかは分かりません。野球ではありませんが、勝負は下駄をはくまでは分かりません。表彰式会場に移動すると、メインスタンド1階の特観席入場券売り場に、各都道府県の総合成績の速報板が設けられていました。

総合成績速報板

総合成績速報板


そして、和歌山県チームの所に近づいてみると…

和歌山県は102点獲得!

なんと和歌山県は102点獲得!


なんと102点を獲得。これで競技別総合優勝は間違いないと確信しました。

そして表彰式が始まりました。まずは、この日行われた決勝種目の表彰です。

少年男子ポイントレース表彰式

少年男子ポイントレース表彰式 鳥取・金田優作選手(後列中央)が優勝


成年男子ポイントレース表彰式

成年男子ポイントレース表彰式 宮城・荒井佑太選手が優勝。窪木一茂選手は5位


少年男子4q速度競走表彰式

少年男子4q速度競走表彰式 福岡・今村駿介選手(後列中央)が優勝。永橋湧也選手(後列左)は2位


成年男子4q速度競走表彰式

成年男子4q速度競走表彰式 岐阜・橋本英也選手(後列中央)が優勝


少年男子ケイリン表彰式

少年男子ケイリン表彰式 宮城・三浦大輝選手(後列中央)が優勝


成年男子ケイリン表彰式

成年男子ケイリン表彰式 高知・森本尊也選手(後列中央)が優勝。岡本隼選手(前列左から2人目)は5位


いよいよ競技別総合成績の発表です。8位から順々に発表されましたが、なぜか余裕を感じた私。そして…

「第1位 和歌山県 102点」

表彰式会場は大きなどよめきとともに、拍手・歓声が響き渡りました。2年連続競技別総合優勝が決まった瞬間です。表彰台には、上野孝監督と三浦恭資コーチが登壇しました。

総合成績表彰式

総合成績表彰式 上野孝監督(後列右から2人目)が花束と表彰状を、三浦恭資コーチ(後列右端)が総合優勝のトロフィーを掲げる


表彰式終了後は、チーム関係者の胴上げが行われました。まずは上野孝監督です。出身地の大分県チームの関係者も交じって胴上げします。

上野孝監督が胴上げされる

上野孝監督が、出身地の大分県チームのスタッフも交じって胴上げされる


続いて松本義之・成年男子監督兼メカニシャンが胴上げです。

松本義之・成年男子監督が胴上げされる

松本義之・成年男子監督が胴上げされる


さらに三浦コーチ、上野監督の奥様などが次々と胴上げされました。そして最後は、チームスタッフ・選手・関係者・保護者らの集合写真です。

2年連続総合優勝 やったぞ!

2年連続総合優勝 やったぞ!


他県チームの関係者が「今回の3ケタ得点は、もう破られることがないだろう」と言うくらいの圧勝だった、今回の国体競技別総合優勝。「優勝した子も、入賞した子も、できなかった子もみんな頑張った。みんなに1等賞をあげたい」と、上野監督は手放しで喜んでいました。ただ今後はさらに追われる立場になるということで、上野監督は「国体が終わって和歌山はダメになったと思われないためにも、新たな目標を設けて強化を続けて行きたい」と強化継続の必要性を訴えていました。


加えて、今回の国体総合優勝に忘れてはならないことがあります。

選手団の各関係者・選手の右胸には「和田力」の小さなオレンジ色のワッペンが縫い付けられていました。和田選手は、去年のプレ国体「都道府県対抗」に和歌山県チームの一員として出場していました(その時の様子はこちら)。ところが和田選手は、今年3月、練習中の事故で帰らぬ人になってしまいました(詳しくはこちら)。
そのためチーム強化は、最後まで決して順風満帆ではなかったかもしれません。それでもなお、ぶっちぎりの総合優勝を飾ったのは、天国の和田選手に優勝を捧げようとした、チーム全員の団結力と選手それぞれの頑張りがあったからでしょう。主力選手を失った悲しみを乗り越え、国体自転車競技史上に残る勝利を飾った和歌山県チームは、間違いなく史上最強のチームだったと思います。

そのチームのレースを5日間観戦し、総合優勝を見届けることができたことは、これまでの競輪・自転車競技取材の中で、何にも代えがたい貴重な経験をさせて頂いたと感じています。来年以降の和歌山県チームの更なる飛躍と、競輪学校受験を表明している布居・南・永橋の「和北高3羽ガラス」の吉報を期待しつつ、月並みですがこの言葉で今回の「紀の国わかやま国体」自転車競技リポートを締めくくりたいと思います。


史上最強の和歌山県チームの皆さん、総合優勝おめでとう! そして、感動をありがとう!


当日の和歌山放送ニュースはこちら


(「紀の国わかやま国体」自転車競技リポートの項 おわり)
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