2014年10月10日

熱いレースで嵐を吹き飛ばせ! 「ガールズケイリン」和歌山開催リポート(そのB・最終回)

和歌山競輪場では、10/4(土)〜6(月)の3日間、「ガールズケイリン(FU)」が開催されました。通算5回目となる和歌山でのガールズ開催。「熱いレースで嵐を吹き飛ばせ!」と題して、ガールズ和歌山開催の様子を紹介する3回シリーズ。今回が最終回です。


○最終日 10/6(月)


台風18号の接近で前日から開催が危ぶまれていましたが、台風は当初の予想より数時間早く和歌山県南岸を通過。レースは、なんとか予定通り開催することができました。ただ上空は初日・2日目と同様、厚い雲に覆われていました。

台風が過ぎ去っても、上空にはどんよりと厚い雲

台風が過ぎ去っても、上空にはどんよりと厚い雲が


当然風も強く、ガールズレースは3日連続でスポークホイールでの実施となりました。この日のガールズレースは一般戦が9R、決勝戦が11Rと発走時間が遅く設定されていて、台風通過後の曇天にもかかわらず9R発走の頃には、いつもと変わらぬ大勢のファンがスタンドに詰めかけていました。

<最終日9R VTR>
ガールズレースには珍しく、号砲直後は各車けん制状態に。そこから内枠2車が押し出されるように前に出て、最終的にA浦部が正攻法に収まります。周回中は、浦部−@竹井−B飯塚−C猪子−E小坂−D飯田−F明珍の順。赤板HSを通過するも動きはなく、最後尾の明珍が外に車を持ち出す素振りを見せるだけです。そしてジャンを過ぎても状況は変わりません。

最終日9R ジャン2センターの攻防

最終日9R ジャン2センターの攻防
号砲直後のけん制から正攻法はA浦部。最後尾のF明珍が車を外へ持ち出すも、他の各車に動きはない



浦部は、他車の仕掛けを待ちながらのベタ流し(極端にペースをスローに落とすこと)。そして隊列が外々へふくれた4角から、明珍がインをすくって3番手内まで上昇します。これを見た飯塚が浦部を抑えに車を上げて行くと、隊列が短くなったところを一気に小坂が叩いて先行勝負を敢行。小坂が後位マークの飯田を引き連れる形で出切ると、やや車間が空きながらも飯塚が3番手を追走します。

最終日9R 最終2センターの攻防

最終日9R 最終2センターの攻防
最終1センターから先行勝負に出たE小坂をD飯田がぴったりマーク。車間が空いた3番手をB飯塚が追い上げて行く



小坂は直線で大きく失速し、結局、直線に向いてから早目の差し交しを狙った飯田が1着。飯田を追いかけた飯塚が2着に入り、飯塚後位を確保した竹井が3着に続きました。

人気割れしていたレースでしたが、本命視されていた小坂が4着に敗れ、2車単が5千円近く、3連単は2万円近くの配当で、波乱の結果になりました。

レース終了後、検車場へ向かいます。後片付けで忙しいなか、何人かの選手が取材に応じてくれました。その中で、まずは2着に入った飯塚選手。位置取りで脚力をロスしてしまったのが痛かったようです。

「最終2コーナーの位置取りが」と、2着も反省の飯塚選手

「最終2コーナーの位置取りが」と、2着も反省の飯塚選手

「脚がないですね。風はHSが強かったんですけど、それはみんな条件が同じなんで言い訳できません。でも、最終2角での位置取りで、もう少し脚を使わずに行きたかったです」と、敗因を分析してくれました。


そして1着の飯田選手は、展開面でのラッキーを強調していました。

「脚使わず、展開がラッキーでした」と話す飯田よしの選手

「脚使わず、展開がラッキーでした」と話す飯田よしの選手

「元々自力を使うつもりでいましたし、関東の男子選手からも「(ペースが)緩んだら、行け!」って言われていました。でも、脚を使わず小坂さんの番手に入れたのが大きかったです。展開がラッキーでした」と、前回・佐世保での一般戦に続く1着に、喜びを隠しきれませんでした。


写真はありませんが、他の選手のコメントも。

小坂選手「思い切って行ったけど、脚がないですね。次からはギヤを1枚下げて、回転重視でやろうかとも思いました」

浦部選手「今節の7・7・5は、デビュー以来最悪(の着内容)。特に疲れはないけど、何なんでしょうかね? (平均競走得点が)50点割り込んじゃうかも。中2日で松阪なんですが、ここが踏ん張り所ですね」


そうこうしている内に、11R「ガールズ決勝」の発走時刻が近づいてきました。敢闘門脇で、各選手の様子をじっと観察。思い思いにアップや精神集中させていました。そして車券発売が締め切られ、いよいよ今シリーズのベスト7がバンクに登場です。

ガールズ決勝戦 出走直前のスターゲート(敢闘門)前

ガールズ決勝戦 出走直前のスターゲート(敢闘門)前


<最終日11R VTR>
号砲で@加瀬・C矢野・F中村が飛び出し、中村がSを決めて正攻法へ。周回中は、中村−矢野−加瀬−A梶田−B奈良岡−E杉沢−D野口の順。赤板HSを通過するも動きはなく、3番手位置の加瀬がやや車間を空けて車を出そうかとする素振りを見せ、ジャンを迎えます。そこから奈良岡が上昇し、先行と加瀬マークの両面作戦に出ます。

最終日11R「ガールズ決勝戦」 ジャン3コーナーの攻防

最終日11R「ガールズ決勝戦」 ジャン3コーナーの攻防
S取りで正攻法のF中村が、後方の動きを見ながらベタ流し。B奈良岡が上昇し、先行or加瀬マークの両面作戦に



加瀬が最終HSから一気に叩いて先行勝負に出ると、正攻法の中村も踏み込んで番手に収まろうとします。しかし、加瀬後位の梶田、追い上げてきた奈良岡も好位を巡って、ツバ競り合いになります。

最終日11R「ガールズ決勝戦」 最終ホームの攻防

最終日11R「ガールズ決勝戦」 最終HSの攻防
@加瀬が一気に先行勝負に出ると、正攻法のF中村も踏み込んで加瀬マークを奪おうとする



加瀬は最終1角で先頭に立ちました。番手取りを狙った中村は車が伸びません。

最終日11R「ガールズ決勝戦」 最終2コーナーの攻防

最終日11R「ガールズ決勝戦」 最終2コーナーの攻防
@加瀬の先制攻撃は成功。F中村が番手マークを狙うも伸びはイマイチ


加瀬の先行はまずまずのカカリ具合で、最終BKでは加瀬後位を追走した梶田まで出切る格好になりました。中村は3番手を確保するも、追い上げた矢野が外で並走という苦しい流れになります。

最終日11R「ガールズ決勝戦」 最終3コーナー過ぎの攻防

最終日11R「ガールズ決勝戦」 最終3コーナー過ぎの攻防
先行する@加瀬の後位は、初手から追走したA梶田が確保。叩かれた中村は3番手内で、矢野と並走する



そして直線に向くと、逃げ切りを図る加瀬と、差しに構える梶田とのマッチレースの様相になり、スタンドのボルテージは最高潮になります。結局、ゴール寸前、梶田が1/4輪差し交わして、完全優勝となるVゴールを駆け抜けました。加瀬は2着。内を突っ込んだ奈良岡を1/4輪こらえた中村が、3着争いを制しました。


表彰式に現れた梶田選手は、ファンからの祝福に笑顔で応えていました。

優勝インタビューでファンの声援に笑顔で応える梶田選手

優勝インタビューで、ファンの声援に笑顔で応える梶田選手(左)


「(加瀬選手を)捉えた感触はなかったです。加瀬さんは強いんで、マークしておかないと勝負にならないんで、(加瀬さんの)後ろを取ってレースを進めました」と、位置取りを大きな勝因に挙げていました。また「ファンの方から初めて横断幕を出してもらえたんで、それに励みにして、力に変えることができました」と、応援への感謝も忘れていませんでした。

「わかちゃん」を手にニッコリ微笑む梶田選手

「わかちゃん」を手にニッコリ微笑む梶田選手


敗れた選手にも話を聞こうと、再び検車場へ向かいました。やはり各選手とも後片付けに忙しく、あまり話は聞けませんでしたが、まずは、梶田選手に交わされ2着の加瀬選手。参加した3度の和歌山開催は、いずれも決勝で惜しい形での敗戦。しかしサバサバした表情でレースを振り返ってくれました。

「自分のスタイルは貫けた」と、2着も満足の加瀬選手

「自分のスタイルは貫けた」と、2着も満足の加瀬選手

「先行という自分のスタイルは貫けました。今日の風は、先行にとってはキツイ風でしたが、先行してこその自分なんで…。ナショナルチームのコーチ陣からも『スケールの大きいレースをしろ』と常に言われていますが、今日はそれはできたと思います」と、レース内容には満足していました。

そして写真はありませんが、4着の奈良岡選手は「周回中ちょっとムダ脚使ったような感じでした。3番手に留まるか、思い切って加瀬さんを叩きに行くか迷ってしまいました」と、勝負所となった最終HSの立ち回りを反省していました。


今回のガールズ開催は、3強対決に注目が集まりましたが、予選レースはいずれも梶田・加瀬両選手が力の違いを見せつけました。しかも中村選手が3着に沈んだり、3着穴になったりして、2車単は平穏でも3連単は意外な好配に。そして最終日は、一般戦が穴車券、一方決勝は3強が上位独占の本命車券と、それなりに楽しませてくれました。上位陣だけでなく、下位陣もそれ相応に力が拮抗し、ガールズレースの楽しさを十分提供してくれた今回の開催。心配された台風18号の襲来を、ホットなガールズレースが吹き飛ばしてくれた感じの3日間でした。
ただ和歌山での、26年度下半期ガールズ開催はこれが最初で最後。来春以降のガールズ開催が、今から待ち遠しくなってきました。


(「熱いレースで嵐を吹き飛ばせ!」の項 終わり)
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